学ぶ・知る・E型肝炎




E型肝炎の発生状況(国内)



日本では、E型肝炎を診断した医師に対しては、感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下、「感染症法」という。)に基づき、保健所に直ちに届出ることが義務づけられています(E型肝炎は「四類感染症」に分類)。届出を受けた保健所は、都道府県等を通じ厚生労働省に報告するとともに、感染症法及び食品衛生法の規定に基づき、感染源や感染時期、原因施設等について調査を行います。医師の届出を集計した感染症発生動向調査によると、1999年4月以降にE型肝炎と報告され、HEV感染が確認された患者は、1999年0例、2000年3例、2001年0例、2002年16例、2003年30例、2004年37例、2005年(1月〜8月)32例、計118例で、国内での感染が推定される患者の報告が2002年以降急増しています。一方、国外で感染したと推定される患者の報告も2003年以降増加しています。報告数の増加は、最近、RT-PCR法によるHEV遺伝子検出及びELISA法によるIgM抗体検出での確定診断が可能となったことを反映していると考えられます。季節性は明らかではありません。診断までに要した日数をみると、初診から10日以内に4分の1、19日以内に2分の1、28日以内に4分の3の患者が診断されており、多くの日数を要しています(病原微生物検出情報Vol.26 p 261-262E型肝炎 2005年8月現在)。
男性101例(国内例71例、国外例28例、不明2例)、女性17例(国内15例、国外2例)と、国内例、国外例とも圧倒的に男性が多いのが特徴です。国内例は男性が50代後半、女性は60代後半をピークに、ともに中高年が多いのに対し、国外例は20代〜30代前半が多いようです(病原微生物検出情報Vol.26 p 261-262E型肝炎 2005年8月現在)。
一方で、論文・学会等で発表されたデータによれば、同期間(1999-2002年)内に10例以上の国内感染例が存在しており、厚生労働省のE型肝炎研究班が行った全国調査によると、集計した254例を解析した結果、輸入感染例の10倍の頻度で国内感染例が存在すると報告されていることから、日本におけるE型急性肝炎の発生はさらに多く存在すると推定されます(肝臓 47巻8号 384-391(2006))。
また、1993年に採血された日本の健常人の血清におけるHEV 抗体保有率は5.4%(49/900)で、20代以下では非常に低く(0.4%)、30代(6.2%)、40代(16%)、50代(23%)と年齢が高いほど保有率も高いことが報告されています。
なお、前述の研究班の調査によれば、全体の31%が動物由来感染(食肉由来)であると推定され、輸入感染が7.9%、輸血感染の確定例が2.3%存在したとされていますが、58%の症例は「感染経路不明」であると報告されています(肝臓 47巻8号 384-391(2006))。



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