学ぶ・知る・E型肝炎




動物による感染経路



近年、先進国においてHEV常在地への渡航歴のない急性肝炎患者からHEVが検出され、そのHEVの遺伝子が当該地の豚から採取されるHEVの遺伝子と極めて類似していることが示されるなど、本疾患が人獣共通感染症である可能性が示唆されてきました。
また、各種の動物がHEVに感受性のあることが示され、日本の豚について行われた調査では生後60日の豚73頭中2頭と生後90日の豚22頭中1頭の血清からHEV遺伝子が検出された他、生後1〜6ヶ月の豚の糞便からもHEV遺伝子が検出されています。また、31農場の血清について抗体検査を実施したところ、30農場の豚で抗体陽性でした。抗体陽性農場では4−5ヶ月で100%の豚が抗体を保有し、ウイルス検出(RT-PCR)検査では、2−3ヶ月齢のすべての豚から検出されたとの報告があります(平成15年度厚生労働科学特別研究事業「食品に由来するE型肝炎ウイルスのリスク評価に関する研究」)。
野生イノシシにおいても、地域の差はあるものの、10-50%の個体がIgG抗体陽性であり、5-10%の個体の血液、肝臓からHEV遺伝子が検出されています。前述のように、イノシシ肉からヒトへの感染も証明されています。
わが国の野生シカにおいては、抗体をもつ個体は極めて少数であり、HEVのリザーバーとは考えにくいのですが、シカ肉からヒトへの直接伝播が報告されているので注意が必要です。
また、1997年に、ヒトのHEVと同じHEVが豚にも存在することが初めて報告されて以来、今日までに、シカ、イノシシ、ウマ、ラット、マングースからHEV遺伝子が検出され、その他にも牛、山羊、ネコなど多種動物からのHEV抗体検出の報告があり、感染を確認する取組みが進められています。



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